ブランシエラ札幌発寒

物件概要

住所:北海道札幌市西区発寒5条4丁目4-33

物件名 ブランシエラ札幌発寒
用途 分譲マンション
構造種別 RC
階数 地上14階建
延床面積 8,122.20㎡
竣工年 2026年2月
TSUYOKU適合番号 T00031
認定耐震建築家 田中 真一

耐震建築家よりコメント

耐震建築家 橋本 俊和
耐震建築家 橋本 俊和
札幌の構造設計事務所の勤務を経てさくら構造へ入社。新築、増築、補強に精通した技術的バランスが強み。「旧基準の基礎の上に新基準に適合する建物を建てる」という、他社が敬遠する難易度の高いプロジェクトも完遂してきた。工法選定から基礎補強、審査機関への論理的交渉までを一貫して遂行。工期と安全性を両立させる最適解を導き出す技術力が強み。

耐震建築家の視点から、「ブランシエラ札幌発寒」の構造的な強みと、目に見えない部分に込められた安全への工夫について解説いたします。

1. 地震力を逃がし、受け止める「適材適所」の架構計画 本物件は14階建ての鉄筋コンクリート(RC)構造であり、平面的な制約の中で最適な耐震性を発揮する「曲げ壁系」の設計アプローチを採用しています。X方向については効果的に耐震壁を残し、建物の変形角を適切に抑えつつ、しなやかな粘り強さ(靭性)と力強い硬さ(強度)の中間的な性質を持たせた構造としています。一方のY方向は、柱と梁で空間を構成する純ラーメン構造ですが、こちらも地震時の層間変形角を1/75以下に厳格に抑え込む設計を施し、揺れによる被害を最小限にとどめます。

2. 「建物の軽量化」による地震力そのものの低減 建物が受ける地震のエネルギーは、建物の重さに比例して大きくなります。そのため当物件では「徹底した軽量化」を図りました。構造上不要なコンクリート壁を大胆に排除し、外壁にはALC(軽量気泡コンクリート)を、内装の間仕切りには乾式の防音間仕切りを採用しています。これにより建物全体の重量を軽くし、地震の入力エネルギーを根本から小さくする合理的な工夫がなされています。

3. 浮き上がりを抑え、足元を強固に固める基礎構造 建物を支える基礎には、地下およそ11メートル以深に広がる強固な火山灰質砂礫層を支持層としています。ここに約7m〜12mの既製コンクリート杭を確実に打ち込むことで、高い安定性を確保しました。 特筆すべきは、杭と建物を繋ぐ「杭頭」の処理です。ここに半固定のパイルキャップを用いることで、地震時に杭頭へ生じる強い曲げの力が上部構造(建物)へ過大に伝達されるのを防ぎます。先端補強には高強度鋼を使用し、さらに地震時に一部の基礎で生じる「引き抜き力」に対しては、引き抜き対応型のPC杭(Tタイプ)を採用して、足元からの浮き上がりを強固に抑え込んでいます。

4. 確実な施工品質と、日々の暮らしの快適性 構造の命綱とも言える梁の主筋定着部分には「定着板」を使用しています。これにより鉄筋の過度な密集を避け、コンクリートが隅々まで密実に充填されるよう工夫しており、設計図通りの強度が現場で確実に発現されるよう配慮しています。 また、日々の暮らしの快適性を高めるため、各階居室の床には重量床衝撃音対策として厚さ200mm(20センチ)のコンクリートスラブを全面的に採用し、高い防音性を確保しています。地震への備えだけでなく、日常の静かな住環境にも寄り添った構造計画となっています。