デュオヒルズ八戸ザ・マークス

物件概要

住所:青森県八戸市十三日町16

物件名 デュオヒルズ八戸ザ・マークス
用途 分譲マンション
構造種別 RC
階数 地上15階建
延床面積 5406.94㎡
竣工年 2026年2月
TSUYOKU適合番号 T00033
認定耐震建築家 田中 真一

耐震建築家よりコメント

耐震建築家 橋本 俊和
耐震建築家 橋本 俊和
札幌の構造設計事務所の勤務を経てさくら構造へ入社。新築、増築、補強に精通した技術的バランスが強み。「旧基準の基礎の上に新基準に適合する建物を建てる」という、他社が敬遠する難易度の高いプロジェクトも完遂してきた。工法選定から基礎補強、審査機関への論理的交渉までを一貫して遂行。工期と安全性を両立させる最適解を導き出す技術力が強み。

耐震建築家の視点から、「デュオヒルズ八戸ザ・マークス」の構造設計の意図と、建物の安全性を高めるための細やかな工夫について解説いたします。
本物件は引き渡し直前に震度6弱の地震に見舞われましたが、建物の命綱であるメインフレームは完全な健全性を保ち、その設計の妥当性が実証された建物でもあります。

1. 適材適所の構造計画と、厳格な変形制御 本物件は「長期優良住宅」の要件を満たす、極めて高い安全基準で設計されています。建物の骨格は方向によって異なるアプローチを採用しており、X方向は耐震壁付きラーメン構造とし、必要保有耐力(DS値)を0.55に設定した「強度型」の建物としてしっかりと揺れに耐える設計としています。一方、Y方向は純ラーメン構造を採用していますが、大地震時の層間変形角が1/75以下となるように剛性を高め、地震時の過大な変形(建物のしなり)を厳格に抑え込む計画としています。

2. 「ピロティ」の弱点を克服する1階の剛性確保 1階部分はエントランスや店舗等の関係上、どうしても耐震壁が抜けてしまうフレームが生じます。一般的にこうした形状は「ピロティ」と呼ばれ、地震時に力が集中する構造的な弱点になりがちです。しかし本物件では、間柱を立てることで耐震壁として機能するフレームを意図的に残し、1階部分の剛性をしっかりと高める設計を行っています。これにより、ピロティのような弱点を作らず、建物全体のバランスと安全性を確実なものにしています。

3. 引抜き力にも耐える「先端拡幅型」の強固な杭基礎 建物を支える基礎には、地下約29mの支持層に達する場所打ちコンクリート杭を採用しています。この杭の先端部分は拡底杭(先端拡幅型のKCTB工法等)としており、建物の重さ(圧縮力)を支えるだけでなく、地震時に生じる強い「引き抜き力」に対しても十分な耐力を発揮する形状となっています。

4. 確実な施工品質と、日々の快適性を守るディテール 地震時に大きな負担がかかる柱には、せん断補強筋に「高強度鋼」を使用し、構造の粘り強さを高めています。また、柱と梁が交差する接合部における梁の主筋の定着には、従来のように鉄筋を折り曲げるのではなく「定着板(DBヘッド等)」を使用しています。これにより、狭い接合部内での過度な鉄筋の密集を避け、コンクリートが隅々まで十分に充填されるよう工夫されており、図面通りの強度が現場で確実に発揮される施工品質を担保しています。 さらに、日々の暮らしの快適性に直結する各階居室の床には、防音性を高めるため厚さ200mm(20センチ)以上のコンクリートスラブを採用しています。地震に対する強靭さだけでなく、静かな住環境にも寄り添った構造計画です。