SAKURA VILLAGE

物件概要

住所:北海道札幌市北区北33条西2丁目1-13

物件名 SAKURA VILLAGE
用途 オフィスビル
構造種別 RC(鉄筋コンクリート)
階数 地上4階建
延床面積 820.16㎡
竣工年 2025年
TSUYOKU適合番号 T00001
認定耐震建築家 田中 真一

耐震建築家よりコメント

耐震建築家 山本 健介
耐震建築家 山本 健介
1978年北海道札幌市生まれ。大学卒業後、地元の住宅メーカーに勤務し、2008年にさくら構造へ中途入社。現在は札幌第二設計室室長を務める。独自の高耐震基準「TSUYOKU」の開発マネージャーとして、地震に強い暮らしを実現するための研究に取り組んでいる。

意匠と構造の融合。高い耐震性能を誇る「TSUYOKU」第一号物件
本建物は、地上4階建ての鉄筋コンクリート(RC)造建築です。開放的な大空間やピロティといったデザイン性を追求しながらも、大地震時の建物の損傷を「中破以下」に抑えるという高い目標性能を実現した、次世代の耐震建築ブランド「TSUYOKU」の記念すべき第一号物件です。

当物件に施した3つの構造的工夫をご紹介します。

揺れをねじ伏せる「X方向」と、しなやかに耐える「Y方向」のハイブリッド設計
地震の揺れに対して、建物の縦横(X方向・Y方向)で最適なアプローチを組み合わせています。
X方向(強度型構造):十分な壁量を配置し、建物の変形を力で抑え込む設計です。大地震時でも層間変形角を「1/1000以下」という極めて微小な範囲に抑え込みます。
Y方向(靭性・剛性の最適化):粘り強さ(靭性)に優れた耐震壁付きラーメン構造をベースとしながら、耐震壁や袖壁を構造計算上で極力残す工夫を施しました。これにより、大空間の自由度を確保しつつ、大地震時の層間変形角を「1/75以下」に抑える高い安全性を確保しています。

ピロティと吹き抜けの「弱点」を克服した構造デザイン
本建物は、1階に駐車場を兼ねたピロティ形式を採用し、3階には大きな吹き抜けを持つ大空間を設けています。一般的に、1階の柱だけで支えるピロティや、床が抜けている吹き抜けは地震に対する弱点になりやすい部分です。しかし当物件では、緻密な構造計算と骨組みの工夫によりこれらの弱点を克服。開放的な意匠の魅力を損なうことなく、強靭な耐震性能へと昇華させています。

地震のエネルギーを逃がす、先進的な「基礎・杭システム」
建物を足元で支える基礎構造にも、最新の技術を導入しています。
摩擦と支持力で支える節付き杭:地中には、側面が節状になった既製コンクリート杭を採用しています。
地中深くの硬い地盤(支持層)で支える「先端支持力」と、節と土の噛み合いによる「摩擦力」の両方の効果を最大限に生かし、建物を強固に支えます。
地震力を受け流す「半固定形式」となる杭頭構法を採用しました。これにより、大地震時に地盤から建物へと伝わろうとする強大な地震エネルギー(応力)を適度に逃がし、建物本体へのダメージを大幅に低減する仕組みを取り入れています。
デザインの自由度と、極めて高い安全性を両立した本物件は、これからの耐震建築のひとつのモデルケースとなる建物です。