ブランズ新札幌

物件概要

住所:北海道札幌市厚別区厚別中央3条4丁目22-23

物件名 ブランズ新札幌
用途 分譲マンション
構造種別 RC
階数 地上15階建
延床面積 4452.34㎡
竣工年 2023年11月
TSUYOKU適合番号 T00020
認定耐震建築家 田中 真一

耐震建築家よりコメント

耐震建築家 山本 健介
耐震建築家 山本 健介
大学卒業後、小規模住宅メーカーに勤めた後にさくら構造へ中途入社。判定会の厳しい指摘も「新しい発見」と捉え、構造技術者としての研鑽を積む。その後、対応できる技術者が限られる「時刻歴応答解析(地震応答解析)」の領域へ進出。特殊なプログラムや数式を駆使し、建物の挙動を精密に解明する高度な解析業務に従事。知的好奇心を原動力に、最先端の理論を実務に落とし込む解析スペシャリストとしてのキャリアを形成してきた。

耐震建築家の視点から、「ブランズ新札幌」の構造設計における強みと、建物の内部に秘められた安全性へのこだわりについて解説いたします。

1. 基本に忠実な「純ラーメン構造」と適正なスパン割り 本物件は地上15階建てのRC(鉄筋コンクリート)造であり、X方向・Y方向の全方位において、柱と梁のみで強固な骨組みを構成する「純ラーメン構造」を採用しています。設計の要として、柱の間隔(スパン)を極力広げすぎず、RC造にとって最も力が伝わりやすくバランスが良いとされる「7m以下」を中心とした柱割りにまとめました。無理のないコンパクトなスパン割りが、構造的に非常に素直で力強い架構を実現しています。

2. 大地震時の揺れを厳格に抑え込む変形計画 大地震が発生した際の建物の変形度合いを示す「層間変形角」について、本物件は1/75以下に収まるよう厳格に設計されています。建物の変形(しなり)をこの水準にしっかりと抑え込むことで、建物の命綱であるメインフレームを守り抜くだけでなく、窓ガラスや内外装といった非構造部材への被害も最小限にとどめ、地震後の安心な暮らしを守ります。

3. N値50超の強固な支持層と、快適性を支える構造 建物を足元で支える基礎構造には、地下深くへと伸びる長さ約45〜46mの既製コンクリート杭を採用しています。N値が50を超える極めて強固な砂層を支持層として見極め、そこに杭を確実に到達させることで、上部構造の重量と地震力を大地へとしっかりと逃がし、揺るぎない安定性を確保しています。また、構造上の安全性だけでなく、日々の居住性を高めるため、床衝撃音対策としてスラブ厚を200mmに設定している点も、住む人に寄り添った設計と言えます。

4. 施工品質を担保する「接合部」への徹底したこだわり 地震時に最も大きな負荷が集中するのが、柱と梁が交差する「接合部」です。本物件では、柱のせん断補強筋に「高強度鋼」を採用して構造の粘り強さを高めつつ、梁の主筋の端部には「定着板」という特殊な金物を使用しています。 これにより、狭い接合部内で鉄筋が過度に密集するのを防ぎ、コンクリートが隅々まで密実に充填される(流動性を保つ)よう緻密に計算されています。接合部の一つひとつについて鉄筋の納まりを丁寧に検討を重ねることで、図面上の計算にとどまらず、実際の現場で確実に設計強度が発揮される「高い施工品質」を担保する工夫がなされています。